世界初・歯生え薬を開発する「トレジェムバイオファーマ株式会社」がシリーズAで4.5億円を調達
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世界初・歯の再生治療薬を開発する「トレジェムバイオファーマ株式会社」が4.5億円を調達
トレジェムバイオファーマ株式会社は、2022年3月8日、第三者割当増資によってシリーズAで4億5000万円を調達したと発表しました。
第三者割当増資は京都大学イノベーションキャピタルとアステラス製薬のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)である米アステラスベンチャーマネジメント、新日本科学の創薬支援子会社のGemseki、京信ソーシャルキャピタル、京都市スタートアップ支援2号ファンドが引き受けたとのことです。
【投資実行】
京都大学イノベーションキャピタル株式会社(京都iCAP)は、トレジェムバイオファーマ株式会社への追加投資を実行しました。トレジェムは世界初の歯の再生治療薬である抗体医薬品を開発する京都大学発ベンチャーです。 pic.twitter.com/3BRwRu3oXS— 京都iCAP(京都大学イノベーションキャピタル) (@Kyoto_iCAP) March 8, 2022
出典:トレジェムバイオファーマ株式会社公式サイト、日本経済新聞
トレジェムバイオファーマ株式会社について
トレジェムバイオファーマ株式会社は、京大発スタートアップ企業です。
京都大学大学院医学研究科口腔外科学分野の髙橋克准教授による長年の研究成果に基づき、2020年5月に設立されました。
トレジェムバイオファーマ株式会社の概要
【会社名】トレジェムバイオファーマ株式会社
【代表取締役】喜早ほのか 氏
【所在地】京都府京都市左京区吉田本町36番地1 京都大学国際科学イノベーション棟104
【資本金】34,997千円
【従業員】 3人
【事業内容】歯数制御による歯の再生治療薬の開発
【情報発信】情報発信は主に公式サイトで行っているようです。
歯生え薬とは?
トレジェムバイオファーマ株式会社が開発を進める歯の再生治療薬とは、歯の欠損に対する自己歯再生薬(いわゆる歯生え薬)とのことだそうです。
トレジェムバイオファーマ社では、骨形成たんぱく質であるBMPなどの働きを阻害する分子「USAG-1」が歯の発生過程に関与していることに注目し、USAG-1タンパクを薬で不活性化するマウス抗USAG-1抗体を作製しました。
それを歯の数が少ない遺伝子欠損マウスに1回投与することで、歯の数が回復することが確認されたとのこと。
歯の欠損理由は、先天性のもの(むし歯や歯周病)と後天性のもの(むし歯や歯周病など)がありますが、トレジェムバイオファーマ社では、まずは遺伝性の先天性無歯症に対する治療薬としての開発を進めているそうです。
そして、後天性の歯の欠損に対しては永久歯の次の歯の芽(第三歯堤)を成長させることにより、永久歯の次の歯が生えることによる歯の再生を目指しているとのことです。
今回の資金調達の目的
トレジェムバイオファーマ社では、歯の欠損に対する自己歯再生薬(いわゆる歯生え薬)を開発し、自分の歯で長く咬めるようにすることで健康寿命の延伸に貢献したいと考えているとのこと。
今回の資金調達を通して、USAG-1抗体の非臨床安全性試験と治験用製剤の製造準備を進め、世界初の歯の再生治療薬の研究開発を一層加速させ、2023年度内の治験開始を目指すそうです。