鉄触媒による有機合成を行う京大発スタートアップ株式会社 TSKが、1億円の資金調達を実施
鉄触媒による有機合成を行う京大発スタートアップ株式会社 TSKが、1億円の資金調達を実施
鉄触媒による有機合成を行う京大発スタートアップ株式会社 TSKが、1億円の資金調達を実施しました。
今回の資金調達は第三者割当増資によるもので、引受先は京都大学イノベーションキャピタルとのことです。
【投資実行】
京都大学イノベーションキャピタル株式会社(京都iCAP)は、株式会社TSKへの投資を実行しました。
TSKは、京都大学化学研究所の中村正治教授(有機分子変換化学研究室)の鉄触媒に関する研究成果を基に、2021年7月に設立された京都大学発ベンチャーです。
TSK:https://t.co/nFIj2hmtjb pic.twitter.com/5xEctnAeRJ— 京都iCAP(京都大学イノベーションキャピタル) (@Kyoto_iCAP) August 8, 2022
株式会社TSKについて
株式会社TSK は、京都大学化学研究所の中村正治教授(有機分子変換化学研究室)の鉄触媒に関する研究成果を基に、2021 年 7 月に設立された京都大学発ベンチャーです。
株式会社TSKの企業概要
【企業名】株式会社TSK
【代表取締役】孫 恩喆
【設立】2021年7月1日
【資本金】200万円
【所在地】京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2
【公式サイト】https://www.tsk.kyoto
出典:株式会社TSK公式サイト
鉄触媒について
有機合成分野において、従来利用されているレアメタルより供給リスクも環境負荷も低い鉄触媒への期待は高まっています。
これまで鉄触媒による有機合成は反応性の制御が困難であるとされてきましたが、2004年に同社CTO中村正治氏により、独自に設計・合成した鉄触媒を用いることで望みの反応性を引き出せることが発見されました。
2017年には既存のパラジウム触媒技術では不可能な分子構造の構築に成功し、電子材料および医薬品の合成に重要な反応を開発しました。
そしてこれまでに、液晶化合物の高効率合成や喘息治療薬の中間体の合成、非ステロイド系鎮痛薬など、鉄触媒技術の産業普及に取り組んできました。
出典:株式会社TSK公式サイト
今回の資金調達の目的と背景
今回の資金調達を通じ、同社は中村教授と共同研究を実施し、鉄触媒技術の更なる社会実装を加速するとのこと。
まずは、京都大学の学内助成制度であるインキュベーションプログラムを活用して開発を進めた新規有機電子材料の事業化を目指すそうです。
また、鉄触媒を自社のプラットフォーム技術とし、新規有機化合物の開発や重貴金属触媒反応による有機化合物合成の鉄触媒への置き換えを支援していく予定とのことです。