交流電池、廃プラ解重合触媒などを開発・展開するAC Biode株式会社が資金調達を実施
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交流電池、廃プラ解重合触媒などを開発・展開するAC Biode株式会社が資金調達を実施
交流電池、廃プラ解重合触媒などを開発・展開するAC Biode株式会社が資金調達を実施しました。
今回の資金調達は第三者割当増資によるもので、引受先はAC Biode株式会社のルクセンブルク法人のAC Biode S.a r.l.を通じて、株式会社ジェネシア・ベンチャーズのGenesia Venture Fund 3号だそうです。
「地球の温暖化ガス削減とグローバルなごみ問題解決・リサイクル率向上に貢献する」をミッションに掲げ、交流電池、廃プラ解重合触媒などを開発・展開するAC Biodeが資金調達を実施
AC Biode株式会社について
AC Biode株式会社は「化学技術により、地球の温暖化ガス削減と海洋プラスチックはじめグローバルなごみ問題解決・リサイクル率向上に貢献する」をミッションに掲げ、2014年に設立されたスタートアップです。
世界で初めての交流のリチウムイオン電池の開発に取り組んでいます。
AC Biode株式会社の企業概要
【会社名】AC Biode S.a r.l.(ルクセンブルク法人)、AC Biode株式会社
【設立日】2019年4月1日
【所在地】京都府京都市左京区岩倉花園町498番地6
【事務所】英国ケンブリッジ市
【代表者】代表取締役社長 久保直嗣
【事業内容】
1)交流電池と回路の開発
2)Plastalyst(プラスタリスト): 廃プラスチックをモノマーに解重合する触媒の開発
3)CircuLite (サーキュライト): 各種灰を吸着剤、抗菌剤にアップサイクルする技術の開発・展開
└志恩社との協業
【公式サイト】https://www.acbiode.com/
AC Biode株式会社が展開する事業
AC Biode株式会社が展開する各事業の内容については、下記の通りです。
交流電池と回路の開発
電動バイクやロボット等で実証実験を実施中、特許も複数申請・取得済みで、当該技術の応用分野も広がっています。
※画像は、電池を交流で使う電動バイクによる実証実験(サレジオ高専との協業)
Plastalyst:廃プラスチックをモノマーに解重合する触媒の開発
ポリエチレンやPETボトル等をモノマーに解重合することに成功し、特許も複数申請中です。
※画像は、けいはんなプラザラボ@京都府での実験の様子
CircuLite:各種灰を吸着材、抗菌剤にアップサイクルする技術の開発・展開
灰の基礎調査とCircuLiteの試作を国内外で7件受注し、案件を進めています。
海外では、タイ、豪州、オーストリア・英国・ポーランド、カザフスタン、バングラデッシュ等で案件を進めているほか、他社からも複数の引き合いを頂いており、近く追加の受注を見込んでいます。
※画像は、米もみ殻灰からアップサイクルしたCircuLite(吸着剤)
AC Biode株式会社はOSAP出身企業
AC Biode株式会社は、大阪イノベーションハブが開催していたスタートアップ支援プログラム「OSAP(OIH シードアクセラレーションプログラム)」第9期に選ばれた実績があります。
※現在は「OIHスタートアップアクセラレーションプログラム」にリニューアル。
OSAPについては、こちらの記事も参考にご覧ください。
起業家養成プログラム「OSAP(OIH Startup Acceleration Program)」とは?支援内容や出身者などを解説します!
さまざまな企業とのつながりが、AC Biode社にとっても大きな糧となったそうです。
大阪イノベーションハブによる起業家インタビューはこちらの記事(https://www.innovation-osaka.jp/ja/library/library-8853/)をご覧ください!
今回の資金調達の目的と背景
同社では、共通する化学技術を応用して、3領域における技術等の研究開発に使用するとのことです。
電池と回路に関しては、更なる実証実験、各種最適化を進め、従来のリチウムイオン電池の昇圧により、同じ材料を使用しながらも最大15%のAh容量向上を目指すとのこと。
また当該技術の応用展開も進めるそうです。
Plastalystは、触媒の最適化、実験のスケール化を実施し、3年以内の実証実験、商業化を目指していくそうです。
従来の方法より低温、低圧で解重合し、且つ酸やアルカリではなく中性による解重合も目指していくそうです。
CircuLiteは、更なる国内外への展開を強化し、リサイクル工場建設の加速化、またCircuLite購入先を拡大していくそうです。
温暖化ガス吸脱着等新規用途開発にも力を入れています。
また、それに伴い、有機・無機化学の技術者を京都で採用し、研究開発を加速していくそうです。