レーザー核融合商用炉の実用化を目指す株式会社EX-Fusionが1億円の資金調達を実施

レーザー核融合商用炉の実用化を目指す株式会社EX-Fusionが1億円の資金調達を実施

株式会社EX-Fusionは、ANRI株式会社が運用する「ANRI-GREEN1号投資事業有限責任組合」を引受先とする第三者割当増資により、1億円の資金調達を実施しました。

出典:株式会社EX-Fusionプレスリリース

 

株式会社EX-Fusionとは

株式会社EX-Fusionは、レーザー核融合商用炉の実用化を目指す国内唯一の民間企業です。

レーザー核融合研究開発を遂行してきた大阪大学レーザー科学研究所、及び光産業創成大学院大学の研究者により2021年7月に設立されました。

株式会社EX-Fusionの企業概要

【会社名】 株式会社EX-Fusion(EX-Fusion Inc.)

【設立】 2021年7月

【代表】代表取締役 松尾一輝 氏

【所在地】 大阪府大阪市中央区北久宝寺町3丁目6−1 本町南ガーデンシティ 7階

【主たる株主】 松尾一輝 森芳孝 藤岡慎介

【事業概要】レーザープラズマの受託研究、プラズマ連続発生装置の製造、核融合システムの技術提供

株式会社EX-Fusion代表取締役は松尾一輝 氏

株式会社EX-Fusion代表取締役は松尾一輝 氏です。

松尾氏は大阪大学大学院博士後期課程理学研究科物理学専攻を修了し、博士を取得。

在学時は藤岡慎介教授の下で、高速点火方式核融合の研究に注力し、効率的な核融合プラズマ加熱を実証、将来的な核融合炉の実現に貢献したそうです。

Twitterにて情報発信をされています。

レーザー核融合商用炉とは

まず、レーザー核融合とは、高出力レーザーを用いて重水素と三重水素の混合物を高密度に圧縮すると共に、高温度に加熱することで、核融合反応を起こし、エネルギーを得る手法です。

一方、商用炉の実現には、(i) 核融合反応発生効率の向上、すなわちレーザー投入エネルギーを超える核融合出力の達成、及び、(ii) 核融合反応を10Hz程度の繰り返しで定常的に発生させ、核融合エネルギーを回収して電気・水素などの社会が利用可能なエネルギーに変換することが必要です。

これらに関しては同社代表の松尾氏が第一著者としてまとめた最近の成果や、同社役員の森氏がトヨタ自動車等の連携機関と共同研究の遂行などの実績を積み重ねてきているとのこと。

このレーザー核融合に関する知見を集約し、レーザー核融合商用炉を実現するために同社は研究・開発を進めています。

出典:株式会社EX-Fusion公式サイト株式会社EX-Fusionプレスリリース

 

今回の資金調達の目的

今回の資金調達の目的は、将来のレーザー核融合商業炉の基盤技術の一つであるターゲット連続供給装置とレーザー照準装置の開発とのこと。

ハイパワーパルスレーザーを用いたレーザープラズマ実験の高繰り返し化を実現していくそうです。

 

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原子力発電と核融合発電の違いが分からなかったので調べてみたのですが、

核融合発電は原理的に暴走が起こらない仕組みのため、原子力発電に比べて極めて安全性が高い。

また、核融合発電は原子力発電で発生する高レベル放射性廃棄物にあたるものが核融合発電では発生しない。また、発電時には二酸化炭素を排出することがなく、クリーンなのも特徴だ。

出典:東芝エネルギーシステムズ株式会社公式サイト

とのこと。

全然知らなかったのですが、核融合発電はこのように大きなメリットがあり、世界的にも研究が推進されているそうです。

しかし、日本では福島第一原子力発電所の事故以来、新しい電力というものに対して風当たりが強くなっている面もあるような気がします。

また、そもそも原子力発電と核融合発電の違いが分からない、という私のような方もきっと多いですよね。

そのような状況の中では日本で研究・開発を進めるのは難しい場面もあるのかもしれません。

しかし、昨今問題にもなっている電力不足解消のためにも、そしてこの先の地球や人類のためにも、今後の同社の飛躍に期待したいと思います…!