iPS 細胞を用いた免疫細胞治療の研究開発を行う京大発スタートアップのサイアス株式会社が21.3億円を調達

iPS 細胞を用いた免疫細胞治療の研究開発を行う京大発スタートアップのサイアス株式会社が21.3億円を調達

iPS 細胞を用いた免疫細胞治療の研究開発を行う京大発スタートアップのサイアス株式会社は、2022年2月21日、シリーズB資金調達において、総額 21.3億円を第三者割当増資で調達しました。

21.3億円の内訳は、世界でもトップクラスのヘルスケア投資の実績を有する Eight Roads Ventures Japan(以下「Eight Roads」)及び F-Prime Capital Partners(以下「F-Prime」)を新規投資家として迎え入れ、既存投資家のD3 LLCによるフォローオン投資と合わせたものとのこと。

また、今回の資金調達をきっかけとして、サイアス社は本格的な米国展開の準備を開始するそうです。

 

 

サイアス株式会社について

サイアスは、「京都大学iPS細胞研究所(CiRA)」金子新教授の研究成果を元に、iPS細胞由来の免疫細胞(T細胞やNK細胞等)の臨床応用に向けた研究開発を進める京都大学発ベンチャーです。

サイアス株式会社の概要

【社名】サイアス株式会社

【事業内容】ヒトiPS細胞からT細胞を再生し、がんや感染症に対する個別化された再生免疫細胞療法を提供する。

【所在地】京都市左京区吉田下阿逹町46-29 京都大学医薬系総合研究棟411、413S、415

【代表取締役CEO/CTO】等 泰道
【代表取締役COO/CFO】 五ノ坪 良輔

【設立】2015年8月24日

出典:サイアス株式会社公式サイト

 

サイアス株式会社のテクノロジー

サイアスでは、固形がんに対する患者ごとに個別化された免疫細胞療法の実現をめざし、急性期の患者には即応性に優れた同種細胞製品を、進行が遅い患者には高い安全性と長期薬効を備えた自家細胞製品を開発を目指しています。

他家 iPS 細胞を原料として、固形がんをターゲットに T 細胞受容体(TCR)を遺伝子導入する iPS 細胞由来 T 細胞製品や、同様に固形がんをターゲットとするキメラ抗原受容体(CAR)遺伝子を導入した iPS 細胞由来 NK 細胞製品等の各種免疫細胞治療の研究開発を行っています。

また今後は、この分化技術から製造される再生免疫細胞は、さまざまなTCRやCARを搭載して多様ながん種に対する治療法の開発を行うことができるプラットフォームとなり得ることから、所望のターゲットを狙ったTCRやCARを搭載した、さまざまな免疫細胞製品をパートナーと共同で開発することも可能になるそうです。

 

今回の資金調達の目的と背景

サイアス社では、今回のシリーズBの資金調達により、研究開発体制の大幅な拡充を図り、次世代の免疫細胞療法の開発を加速すると同時に、Eight Roads/F-Primeの協力の下、本格的な米国展開の準備を開始するとのことです。

日本で培われた技術を基に、世界最先端の遺伝子・細胞療法市場、巨大な資本市場、そして優秀な人材へのアクセスが可能な米国に進出し、グローバル企業への第一歩を踏み出していくそうです。