AIを使い薬剤耐性菌問題に取り組む大阪大学発ベンチャー「株式会社GramEye」が、資金調達を実施

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AIを使い薬剤耐性菌問題に取り組む大阪大学発ベンチャー「株式会社GramEye」が、資金調達を実施

AIを使い薬剤耐性菌問題に取り組む大阪大学発ベンチャー「株式会社GramEye」が、資金調達を実施しました。

資金調達先はDEEPCORE TOKYO 1号投資事業有限責任組合 (運営会社: 株式会社ディープコア)となり、調達額は非公表のようです。

AIを使い薬剤耐性菌問題に取り組む大阪大学発ベンチャー「株式会社GramEye」が、資金調達を実施

 

出典:株式会社GramEyeプレスリリース

 

株式会社GramEyeについて

株式会社GramEyeは、薬剤耐性菌という喫緊の社会課題に問題意識を持つ大阪大学の医師と医学部生が2020年に立ち上げた大阪大学発スタートアップです。

AIとロボティクス技術を使い、グローバルな社会課題である薬剤耐性菌問題の解決に取り組んでいます。

株式会社GramEyeの企業概要

【企業名】株式会社GramEye (GramEye Inc.)

【設立日】2020年5月18日

【代表取締役/CEO】平岡 悠

【URL】https://grameye.com/

 

出典:株式会社GramEye公式サイト

 

薬剤耐性菌問題とは

薬剤耐性菌とは、抗菌薬の誤用や乱用によって、従来であれば薬が効くはずだった菌に突然変異が起こり、薬が効かなくなった菌のことをいいます。

仮に今後何も対策が講じられず、現在のペースで薬剤耐性菌が増え続けると、2050年の時点で世界で1,000万人もの方が命を落とすと想定され、がんによる死亡者数を超えるとした報告があるそうです。

GramEye社ではその問題を解決することを目指し、適切な抗菌薬を選ぶために行う感染症検査「グラム染色」をアップデートしていくそうです。

GramEye社が取り組む「グラム染色」のアップデート

グラム染色は、3つの染色液で菌を染め上げ顕微鏡で観察し、色や形状から菌種を推定する検査のことです。

グラム染色の利用は、抗菌薬の適正利用や感染症の入院期間を短縮するという効果が報告されていますが、グラム染色の実施には多くの手間と知識、経験が必要になります。

そこでGramEye社では、AI・ロボティクスソリューションの開発を進めています。

AI・ロボティクスソリューションは、グラム染色工程における手間を省き、AIが顕鏡をサポートすることで、より迅速かつ正確な検査結果を反映するシステムを構築することが可能だそうです。

それが結果的に、医療現場における医師や臨床検査技師の負担を軽減するだけでなく、医師による適正な抗菌薬投与を推進することにつながっていくそうです。

出典:株式会社GramEye公式サイト

 

今回の資金調達の目的と背景

今回の資金調達を通じ、GramEye社ではグラム染色工程を自動化・迅速化・デジタル化するAI・ロボティクスソリューション開発及び、開発体制の強化を行う予定とのことです。

発売に期待を寄せている医師も多く、今後、ユーザーの皆様の声を活かし、製品の改良を重ねた上で医療機器上市を目指していくそうです。