核融合炉の実現を目指す京都フュージョニアリング株式会社が13.3億円の資金調達を実施

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核融合炉の実現を目指す京都フュージョニアリング株式会社が13.3億円の資金調達を実施

京都フュージョニアリング株式会社は、シリーズBラウンドで総額13.3億円の資金調達を実施しました。

今回のシリーズBは、既存投資家であるCoral Capitalに加え、国内トップVCであるJICベンチャー・グロース・インベストメンツ、ジャフコ グループ、大和企業投資、DBJキャピタル、JGC MIRAI Innovation Fundの計5社を新たな引受先としています。

今回の増資により累計調達額は16.7億円となったとのことです。

出典:京都フュージョニアリング株式会社公式サイト

京都フュージョニアリング株式会社について

京都フュージョニアリング株式会社は2019年に京都大学の研究開発技術をベースに設立されたスタートアップです。

京都フュージョニアリング株式会社の概要

【代表者】 長尾 昂

【設立】 2019年10月1日

【社員数】 30名

【本社】設立時の本社所在地は京都府宇治市であったようですが、現在企業サイトに記載がありません。

【子会社】2021年10月に英国に子会社を設立
(出典:英国子会社を設立しました

【その他】2021年に「J-Startup」、および「J-Startup KANSAI」対象企業に選定
(出典:経済産業省推進の「J-Startup」に選出「J-Startup KANSAI」に選出

出典:京都フュージョニアリング株式会社公式サイト

京都フュージョニアリング株式会社代表の長尾 昂氏について

京都フュージョニアリング株式会社代表の長尾 昂氏は京都大学卒。

2019年に創業者として京都フュージョニアリングを設立。ラボスケールの研究開発から、グローバルな核融合の研究機関・顧客に対するプラントエンジニアリング事業の立上げ、政府からの補助事業によるR&Dの実施に対して、代表取締役としてリーダーシップを発揮されています。

2021年にはグローバルビジネス誌『Forbes JAPAN』が主催する「Forbes JAPAN 100」の”今年の100人”に選出されています。

共同創業者 兼 代表取締役の長尾昂が「Forbes JAPAN 100」に選出されました。

Twitterを利用し、積極的に情報発信を行われています。

出典:京都フュージョニアリング株式会社公式サイト

京都フュージョニアリングが開発を目指す「核融合」とは

同社のビジョンとして”究極的なエネルギーソリューション「核融合」によって地球の課題を解決し、人類に新たな未来をもたらす。”が掲げられています。

核融合は海水から燃料を取り出すことができ、また原子力とは根本的に異なる技術であり、原理的に危険性が少ないものだそうです。

また、発電過程で二酸化炭素を排出しないカーボンニュートラルの特徴を持ち、エネルギー問題と環境問題を根本的に解決できる究極的な技術として注目されているとのこと。

2021年10月には英国で「英国政府の核融合戦略」が発表され、日本政府も2022年夏までに核融合国家戦略を策定することを発表しており、世界的に見ても大きな期待が寄せられている技術です。

出典:京都フュージョニアリング株式会社公式サイト

 

今回の資金調達の目的と背景

今回の資金調達を通して、資金と投資家の持つ知見を活用して研究開発と事業開発を加速し、核融合市場の取り込みと事業拡大を目指すとのこと。

特に世界的にも開発が求められている核融合炉の加熱装置や熱取出し装置、核融合プラントエンジニアリングの技術開発を加速し、日本の産業技術力をベースとしたグローバル展開を狙っていくそうです。

 

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同社は核融合炉の実現に向けた先進技術の開発を行っており、いくつかの技術では世界有数の技術力を有しているそうです。

英国子会社の設立、そして「J-Startup」、および「J-Startup KANSAI」への選出などから、その日本だけでなく世界からも大きな注目を集めていることがうかがえますよね。

エネルギー分野では、先日株式会社Ex-Fusionをこちらでもお伝えしましたが

レーザー核融合商用炉の実用化を目指す株式会社EX-Fusionが1億円の資金調達を実施

さまざまな企業がエネルギー問題周辺の課題を解決しようと取り組んでおり、期待と頼もしさを感じます。

エネルギーや環境問題は今後さらに世界中で大きな関心事となるでしょうから、同社にはそれを解決するリーダー的存在となってほしいな、と思います。